男性ホルモンについて
男性ホルモンと、薄毛・AGAにはどのような関係があるのでしょうか?
■テストステロン
男性ホルモンの一種。「
TS」と略記される。
男性らしさを形成するホルモンであり性欲や性器形成など性に関する働きがある。毛髪に関しては、抜け毛の要素になると言われているが、むしろ髪1本1本を太くする作用があり、このホルモンが直接の原因で薄毛が進行するとは考えられていない。
精巣(睾丸)で産出・分泌され、20代をピークに30歳頃から分泌量が減少し始める。
- 生殖器の形成
- 男性の二次性徴
- 陰毛(わき毛)が生える、声変わり、睾丸、陰茎の発育
- 筋肉、骨格の形成
- 性欲、性衝動
- 男性的な思考(脳)
テストステロンはドーピング検査で禁止されている筋肉増強剤としても用いられる。
■ジヒドロテストステロン
男性ホルモンの一種。「
DHT」と略記される。
髭(ひげ)や体毛を濃くする働きがあるが、毛髪だけは頭頂部や生え際や前頭部を薄毛化させてしまう。
活性型のホルモンとして強力であり、このジヒドロテストステロンの作用を受けた毛髪は短く細い状態(きちんと育っていないまま)で抜け落ちていく。結果、ヘアサイクルが乱れ、頭髪は短く細い毛ばかりになり薄毛化となる。
このジヒドロテストステロンこそがAGAの原因とされている。
- 還元酵素「5α-リダクターゼ」がテストステロンに働きかけて形成される。
- AGA(男性型脱毛症)において脱毛の原因とされている
- 前立腺肥大症の原因とされている
- ヒゲや体毛が生える
ジヒドロテストステロンは毛根を萎縮させる力がテストステロンの10〜100倍あると言われています。
■5α-リダクターゼ
毛乳頭や皮脂腺に存在する還元酵素。テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換させる作用がある。
ジヒドロテストステロンは前立腺肥大症やAGA(男性型脱毛症)の原因であり、5α-リダクターゼの働きを抑制することで、ジヒドロテストステロンの産出が抑えられ症状が改善することがわかっている。
■ハミルトンの実験(1942.J.B.ハミルトン)
- 睾丸(精巣)を摘出し去勢するとテストステロンを産出しなくなるので、
薄毛化しない。去勢前に薄毛化していた男性の場合には進行が止まる。
- 薄毛化進行中であった男性の睾丸摘出した後、テストステロンを注射すると
薄毛の進行が再開する。
- 薄毛化していなかった男性の睾丸摘出した後、テストステロンを注射しても
薄毛にはならない。
薄毛化するかはテストステロンの有無ではなく、体質(遺伝的要素)であることがわかる。
体質の違い(遺伝的な要素)とは、
・5α-リダクターゼの働きの違いによるジヒドロテストステロンの産出量の違い
・たんぱく受容体とジヒドロテストステロンの結合具合の違い
といったことが指摘されている。
持って産まれた体質は薬やサプリメントを使わないと改善・対処は困難であろう。
■去勢(睾丸摘出)について
テストステロンは精巣(睾丸)で産出・分泌されている。
去勢(睾丸摘出)をするとテストステロンの産出はなくなるため、男性らしさ(性器の形成や成長・性欲・筋肉・骨格・声・考え方)が失われてしまう。
■AGA治療の方法論
AGA治療は5αリダクターゼの働きを押さえ込むことを第一の目標としている。
こうすることでジヒドロテストステロンが産出されなくなるので結果的に薄毛の進行を止めることができる。
前立腺肥大症の治療についても同じメカニズムで行われる。
■エストロゲン
女性ホルモンの一種。卵巣などで作られ女性の性活動、二次性徴を促進する働きがある。更年期以降は減少していく。肉体的にも精神的にも女性らしさを作るホルモンであり、性機能だけでなく、みずみずしい肌やツヤのある「美しい髪」を形成するなどの作用も。
男性の場合は、テストステロンを元にエストロゲンが作られる。そして前立腺がん細胞の増殖を抑制する効果があることから、前立腺癌の治療で投与される。
なお、大豆イソフラボンにはエストロゲンに似た働きがある。